クズでも頑張れる

やるときゃやる

原作への思い入れゼロの女が見た『ゴースト・イン・ザ・シェル』

1995年早生まれのわたしが、

人生で初めて見たアニメや漫画の実写映画って何かなと考えたところ
多分佐藤江梨子主演の『キューティーハニー』が記憶の中で一番古い作品じゃないかなと思います。
あとは『NANA』とかかな。

わたしの中でですが
子供の頃は日本のアニメ・漫画の実写っていうとVシネマのイメージがありまして、
ミナミの帝王、サソリ、アカギ、湾岸etc)
実写映画がアニメや漫画を題材に扱うのはサブカルチャーな感じがしていました。

 

それに対して2000年代後半からは
実写時代と言ってもいいほど作品は多くもはや飽和状態となっているし、
有名制作会社が力を入れて作っています。

 

ただ、悲しいかな皆さん御存知の通り打率が低いですね。
その上2009年のハリウッドが制作した『DRAGONBALL EVOLUTION』は
どんな良作も搔き消すくらい
実写に対して"嫌な予感"を感じさせる元凶となりました。
(あくまでもわたしのイメージ)

 

そんな、
日本では初っ端からゴミ扱いされる実写界に
新たに踏み込んで来たのが
士郎正宗原作の「攻殻機動隊」を
ハリウッドが映画化した『ゴースト・イン・ザ・シェル』

 

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押井守が監督した
1995年のアニメ映画『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』は、
日本のみならずアメリカでも大人気で
当時ビルボード誌のビデオ週間売上ランキングで1位を獲得しています。

 

世界中にも根強いファンが大勢いる中、
あえて何も思い入れのないわたしが今回の実写を語ってみようということです。

 

◆『ゴースト・イン・ザ・シェル』とは…

まず、思い入れのない女と言っても
無知で語るわけではないので、ご安心(?)を。
アニメ映画『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』と
その続編『イノセンス
そして、映画世界のパラレルワールドを描いた
テレビアニメ版「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」を鑑賞済みです。

ただまあそんな人生を揺るがす作品ではなかったなという印象だったので、

さっくりと受け入れました。

 


原作贔屓フィルターなしに
映画を見たらこうなったという感じで読んでいただければ幸いです。

 

 

 


(以下、結末には触れませんがネタバレ注意)

 

 


4月7日全国公開の本作は、かなりヴェールに包まれているようで
どこまで公開されているか確認できなかったのですが
公式サイトによれば

脳以外が全身義体である世界最強の捜査官・少佐(スカーレット・ヨハンソン)が、上司の荒巻(ビートたけし)やバトー(ピルー・アスベック)らエリート捜査組織・公安9課の面々とともに、脳をハックする脅威のサイバーテロリストとの世界を揺るがす戦いに身を投じていく

ニュース|映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』

 

というあらすじとなっています。


もう少し詳しく紹介しますと、
人間っぽいのが病院に運び込まれ、義体化する手術を受けて少佐になるところから物語はスタートします。
義体化前の記憶がない少佐は、自分の存在に疑問抱き、それを探っていくというストーリーです。
アニメ映画では、自分を超越するのが少佐の願望でしたが
ハリウッド版の少佐は、義体化する前何者だったのかを知ろうとします。
原作で明かされているのかわからないのですが、今作は少佐のルーツを辿る物語ということになります。
ちなみにバトーの目は始めは裸眼?で、劇中、一騒動あり途中からおなじみの義眼レンズになりました。

前日譚とまでは言えませんが、アニメ映画版よりちょい前も含めた内容です。

 

 

◆"ハリウッド版"だ!"ハリウッド版"!

大事なことなので2回いいました。

結論から申し上げますと

原作への思い入れゼロの女が見た『ゴースト・イン・ザ・シェル』は

めちゃくちゃおもしろかったヨ!!ただし前半ね…。(のちほど説明します)

 


今作で一番お気に入りなのが、物語の導入部分。
ドルビーアトモス採用のスクリーンで見たので
画面はもちろん大きいし、音は大迫力、かつ4列目くらいだったので
世界観に飲み込まれる形での鑑賞だったのですが
未来カッケー!!!と、80年代映画みたいな興奮を覚えました。

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近未来が舞台で

ブレードランナー』の明るいバージョンみたいな街に吸い込まれていくんですね。

 

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(『ブレードランナー』より)


すごく巨大なホログラムというのでしょうか
舞妓姿だったり柴犬だったりが街に浮かび上がってるんです。

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(『ゴースト・イン・ザ・シェル』より)

 

アニメ映画版ってもっと『ブレードランナー』寄りで雰囲気暗めだったと思うんですけど

 

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(アニメ版より)


実写では豪華絢爛と申しましょうか、アメリカ人が抱く理想のジャパニーズスタイルで描かれています。

なんか変な寿司屋あるじゃないですか、向こうって。まさにあんな感じ。

(わたし結構アレ好きなので大満足だったw)
でも、ほんとCGすごいんで、映像系の賞獲れるんじゃないかなと思ってます。

それくらい感動しました!

 

それから白人化だと抗議まで受けたスカーレット・ヨハンソンの起用ですが
彼女の肌とか冷たい表情はいい意味で”生”が感じられなく
義体そのものという印象でした。スカヨハええよ~。

 

 テレビアニメ版って「もしも少佐が9課を離れなかったら」

というパラレルワールドとして描かれているじゃないですか。

だからハリウッド版もパラレルワールドとして受け入れたら

原作贔屓の方もすんなり入ってくるのではないかと思います。

 

◆しかし後半へ、続かない…

自身も「攻殻機動隊」の大ファンだというルパート・サンダーズ監督。

あ、これアニメで見たぞと、

往年のファンをニヤリとさせ、かつ

初見でも驚く演出(アニメ版で特に印象に残ったシーンの引用)がちょいちょいでてきて楽しいです。

しかし、

物語が進めばシリアスになりアクションも増え

始めに感動していたCGの世界が薄れていってしまいました。超残念。。

 

めちゃめちゃ

しかも、「攻殻機動隊」のいいとこ詰め合わせセットみたいな感じで

少佐さえにも感情移入しにくい構成になっているんです。

(まあ、アニメ映画版第1作目も「???」って感じだったけど)

 

たくさん登場人物いるんですけど

キャラクターに愛を抱けませんでした。

 

トーリーも

「え?ほんとうにそれでいいの?もっと哲学的じゃなくていいの?」

と心配になるほどかなりキャッチ―なものになっています。

攻殻愛なければないほど、キャッチーすぎて多分萎えます。

ハリウッド版にするにあたって万人受けするためだったのだろうと思いますが

もういっそのこと『マトリックス』みたいに難解映画にしてもよかったのではと…

 

 

◆日本人の視点から

 

たぶん、吹き替えの方がいいよ、というのを声を大にして伝えたい。

メディアで宣伝されているのでご存知の方多いと思いますが

ビート武さんは、一貫して日本語を話します。

けっこうこれがフワフワしていて、むずがゆかった。。

(世界観的に言語がバラバラでも物語は進むのだけれどね)

 

それなのに、最後に出てくる桃井かおりさんが、変な英語なのよ。

もう、桃井節ガンガン。

桃井かおりさんのモノマネする芸人さんいるじゃないですか。

あれがそっくりそのままで、英語を話した感じ。

 

吹き替えはアニメ版声優続投ということで

タレント起用もありませんし、コアなファンも初めての方も

安心して心を預けられると思います。

 

◆総括

 

原作に思い入れゼロの女にとって

『ゴースト・イン・ザ・シェル』は

 

トーリー ★★★

映像 ★★★★★

 

くらいでございました。

 

映画の最初の最初に、

制作会社のロゴが出るでしょう。

あれが、中国企業だったんですよ。

日本のおもしろコンテンツって

海外に取られて行ってしまうのかとちょっと悔しくなったよね。

 

めっちゃどうでもいいんだけど、

トーの犬って

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バセットハウンドだったと思うんだけど

実写だと

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ビーグルだったような…。気のせいかな笑

だからわたしは売女になれない

『時々歌舞伎町に行かないと幸せがわからない』
という歌詞に感情を鷲掴みにされた。
大森靖子の楽曲『パーティードレス』には
我慢してキスをしてオヤジにお金をもらう職業の女性が出てくる。

わたしは高校生のとき
心斎橋や難波のディープなところを歩くのがすきだった。
それから大学生になって新宿の虜になった。

お酒や性が乱れてカオスを生み出す街が
わたしのクズっぷりを受け入れてくれる気がするからだ。
あの歌で歌舞伎町を歩いて幸せをみつけることを分かってくれる同士を
人生で初めて見つけた気がした。
あの歌の女は歌舞伎町に目的があるのに行っている。
わたしは何にもないくせに勝手に仲間意識を持った。

わたしは
客としてホストに通うわけでもなし
職業としてキャバクラ嬢や風俗嬢として出勤することもない。

ビッチ、あばずれ、売女、ヤリマン
性の乱れた女性を指す言葉はあれど
わたしはどれにも属せなかった。

それなのに潔白を守ることはできず
修道女にすらなれないのだ。

真っ白でいられないのに
真っピンクにもなれない

でもそんな女性が
この世の中に溢れている

かつてオヤジを喜ばすための日活ロマンポルノは
今やサブカルチャー女子を喜ばす
オシャレ映画の分類に入った

女たちから毛嫌いされてたAVも
堂々と視聴を公言できるし女性向けまで出来た。
女性ファン一同が女優に花を贈るのもよく見かける。
AVを見ること、エロに興味を持つことは
サブカルチャーとして受け入れられる世の中となった。

ただ、わたしを含め女たちは
エロや堕ちることに魅力は感じれど
知るということだけで、関係した気になって
決してその世界と交わろうとはしない

いわば"高みの見物"だ

寛容なふりをして
実は見下している気がして
こんな心が嫌になる

ストリップを見に行って
美しい素晴らしいと感じ
踊り子たちに尊敬の眼差しを持っていても
ストリップに客として関係した自分に
酔いしれているだけな気がする。

例えば顔がめちゃくちゃ可愛くて
その上、おっぱいがぷよぷよ
誰もが憧れる容姿と体を持っていたら
わたしは売女になれただろうか

たぶん、怖くて無理なのと
せっかく顔も体もいいのだからと
サロンモデルとか読モをやって
それからコネで知り合った金持ちの男と結婚する

どんな条件を持ち合わせても
淫乱な女になれないんだ

歌舞伎町を歩き
その街を体験して空気を吸い
中にいる気がしてもあくまでも訪問者

ディズニーランドに行っても
夢は必ず終わり
ディズニーのキャラクターになれないのと同じ

処女を守れず
売女にもなれぬ

わたしは何にもなれなかった

『ラ・ラ・ランド』を100倍楽しくするブログ

ついに、わたしは『ラ・ラ・ランド』を見た側の人間になってしまいました🌷

ああ、チャゼルよ。ありがとう、これでこそ映画だよね!

という作品でした。もう最高すぎて鑑賞中頭痛を起こしてしまうほど…(笑)

 

まだ日本公開まで3週間近くあるので、

首を長くして待っている人たちも、大勢いることと思います。

生きているうちにスクリーンでこんなに素敵な作品を見られるのは、とても恵まれていることです。

 

どうせなら余すことなく『ラ・ラ・ランド』の魅力を吸収してほしく、見る前に知っておくと楽しくなる前知識をまとめてみました。

 

ご安心を!ネタバレなしです。

 

◆オスカー最有力!映画『ラ・ラ・ランド』の魅力

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あらすじ:舞台はロサンゼルス。女優志望のミア(エマ・ストーン)と、ジャズを愛する売れないピアニスト、セバスチャン(ライアン・ゴズリング)が夢を追いかける物語。

 

ハリウッドの夢物語を、カラフルな映像と軽快な音楽に合わせて描いておりデイミアン・チャゼル監督の映画と音楽へのリスペクトを感じる作品になっています。

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この映画には、名作のオマージュがこれでもかというくらいたくさん詰め込まれていまして、初っ端からジャン=リュック・ゴダールの『ウィークエンド』を思わせる演出が登場します。開始早々グイッと心、奪われました。

 

オマージュは気付けぱ気付くほど楽しいもの。

ここで、この傑作を余すことなく楽しんでもらうために見てほしい過去のミュージカル映画を少し紹介していきたいと思います。

 

◆『ラ・ラ・ランド』をより楽しくする3作品

先ほど言ったように、この映画はオマージュだらけ。

あれもこれもと言っていたら切りがないので

特に目立っていた3作をピックアップしました。

 

①『ロシュフォールの恋人たち

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1967年公開のジャック・ドゥミ監督によるフランスのミュージカル映画です。

ロシュフォールで、双子の姉妹が運命の恋人を探すというお話。

 

『ラ・ラ・ランド』の”最初からクライマックス”感は

この作品を思い出さずにはいられません。

両作とも、まだ主役が出てきてない段階なのに、ダンスと音楽で観客の心をがっちりつかんでいきます。

 

www.youtube.com

 

ミシェル・ルグラン作曲の「キャラバンの到着(原題:arrivée des camionneurs)」は

富士フィルムの化粧品のCMに採用されていたのでなじみ深いと思います。

アップテンポなのにどこか哀愁漂う曲調で、それが、カラフルな街並みや軽快なダンスと混ざり合い、観客の心を躍らせます。

 

②『雨に唄えば

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もう有名すぎて語るまでもないですが、1952年公開の米ミュージカル映画です。

サイレント(映画の超初期は音声がありませんでした)からトーキー(音声あり)へ、映画の歴史が動いた時代を舞台にしています。

ヒロインは『スターウォーズ』シリーズで

レイア姫を演じたキャリーフィッシャーの母デビー・レイノルズ

これがまた超キュートなのだ。。

 

www.youtube.com

 

『ラ・ラ・ランド』、本当に『雨に唄えば』のオマージュが多かったです。

余談ですが、わたしは『雨に唄えば』の中では、ピンクの衣装にプリティーな振り付けの

「All I Do Is Dream of You」が好き!

 

③『巴里のアメリカ人』

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こちらもアメリカ映画。1951年の作品です。

ストーリーは、パリに来たアメリカ人が恋やら仕事やら頑張る話。。

ポスターの色合いはきっと、ここからインスパイアされたのかな。

 

www.youtube.com

 

ほか2作に比べたらストーリーは劣るし、

ヒロインが圧倒的に可愛くないのでアレなのですが、

最後の18分にも及ぶダンスシーンはミュージカル映画史を語るには欠かせません。

このシーン、パリの街を模したセットで撮られているのですが、

夢や理想を可視化したら、きっとこうなるだろうな~という風に、隅から隅までおしゃれに可愛く素敵に仕上げられています。本当に美しいです。

 

並べてみたら、全作品ジーン・ケリー出演ということになってしまいました(笑)

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あのチャーミングな笑顔は、たまりません…。

こういう系統のイケメン俳優最近いるかしら?

 

 ↓公開前に、オマージュをもっと知りたいよ~という人に
便利な動画を見つけたのでリンクしておきます。『ラ・ラ・ランド』と名作たちを比較した動画です。作ってくれた外国人ありがとう。

映画の核をつくネタバレはないのだけれど

初見で楽しみたいという人は鑑賞後に見てみてください。答え合わせにも使えます。

 

vimeo.com

 

◆『ラ・ラ・ランド』は魔法

1個前の記事で、こんな不安な社会に、映画ができることは過去の過ちを伝えていくことかも。と書いたのですが、真の映画はそんなことのために存在しているわけではないですね。

失念していました。

映画はエンターテインメントです。

 

ミュージカル映画史の第一歩目である『ジャズ・シンガー』は

世界が不況である中でも大ヒットを記録しました。

大恐慌の中でも人々は、映画に希望を見出したのです。

忘れてしまいたい苦しい現実から、色鮮やかな夢の世界へ一瞬で連れて行ってくれるのが映画の醍醐味でもあります。

 

今年のアカデミー賞

スコセッシやイーストウッドらのベテランではなく、

31歳のチャゼルをはじめとする、若手組が評価されるノミネート結果となりました。

 

スコセッシは、不自由な社会で生じる人間の弱さを『沈黙 -サイレンス-』で描き、

チャゼルは、夢を思う大切さを本作で伝えました。

どちらも若い人たちへのメッセージとも取れるのですが

この対極的な感じ。。

 

「年寄りは説教垂れてるけど、

まあいいから踊ろうや!!」と言わんばかりの『ラ・ラ・ランド』。

( 『ラ・ラ・ランド』の構想は『セッション』前からあったらしいのと米公開の時期を考慮しても、そんなわけないのですが、タイミングが奇跡を生んでしまいました)

 

インターネットが普及してから

よりリアルな世界が見えてきた反面、人々は嘘や虚構、作り物に厳しくなってきました。

ディズニーランドの魔法さえ、解けかかってきています。

 

最も苦労したのはトーンを見つけることだった。マジックとリアリティー、古いものと新しいもの、夢とリアリズムの間のバランスを見つけることだね。

『ラ・ラ・ランド』が描くのは“夢を追うこと”の素晴らしさ!『セッション』監督が語る(1/2) - シネマトゥデイ

 

とチャゼル自身も語っているように、この時代にあえてオリジナルのミュージカル映画を作るのは至難の技だと思います。

 

『ラ・ラ・ランド』の凄いところは、そんな冷え切ったわたしたちが、心の深くに置いてきてしまった『全身全霊で楽しみたい』というエンターテイメント欲を掘り起こしてくれるところです。

 

劇場からの帰り道は
こんな足取りになっちゃいますよ。

 

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わたしサントラ買ったんですけど
someone in the crowd は、足取りが自然とこのテンポと同じになります。
できることなら、スカートシュッてしたいくらい…。

 

最近の映画は、IMAXや3D、4D、VFXなどの最新技術が売りとなっていて人を楽しませたいという想いは二の次になっていた気がします。

映画離れしてしまった皆さんにこそ堪能してほしい真の"銀幕体験"が、『ラ・ラ・ランド』には詰まっています。

ぜひ、魔法にかかってみてください👠

 

「楽しいままで終わりたい」と自殺した中学生は正しいかもしれない

今月12日に、埼玉県の中学校で自殺した少女の遺書には

「いじめや家族間のトラブルではない。楽しいままで終わりたい」

と書かれていたそう。

 

遺族や友人には悲しい出来事だろうが

亡くなった少女の言い分は妙に納得できる。

「生きてりゃいいことある」を、今の子供たちに私は胸を張って言えない。そんな世の中になってきた。

 

私は映画の話しかできないので、その観点からみると

「世界への警告」を題材にした映画が多くなった気がする。

 

最近では『沈黙 -サイレンス-』。

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遠藤周作の小説を映画化したもので

これを外国人である マーティン・スコセッシが手掛けたのが

日本人のわたしにはとても悔しかった。

なぜ日本の映画業界はこれが出来なかったのか…。

 

邦画への嘆きは、ちょっと置いておきます。

マーティン・スコセッシが映画を撮ったということは

社会に何か伝えたがっている証拠だ。

『タクシードライバー』も、もちろんそうだった。

 

◆名作『タクシードライバー』の警告

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1975年に公開された同作は、タクシー運転手の主人公が現代社会への怒りや不満に精神を擦切らしていくという物語。

ロバート・デ・ニーロ演じるトラヴィスは、ベトナム帰還兵という設定だった。

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当時のアメリカでは、戦場で奮闘した帰還兵が、せっかく無事に帰ってきた故郷で路頭に迷うケースは少なくなかった。

そのため、「やりきれないアメリカ社会がトラヴィスをああさせてしまった」と

解釈されがちだが、帰還兵は設定にすぎない。

なぜなら、『タクシードライバー』はアラバマ州知事暗殺未遂のアーサー・ブレマーによる「暗殺者の日記」が元ネタだからだ。

 

この映画で一番のテーマは「孤独」である。

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ブレマーは暗殺前の3か月間、家を持たず車で暮らし、誰とも会話を交わさなかったそう。

悪いのは社会や境遇ではない。孤独こそが破滅だぞとこの映画は伝えている。

それでは、今回スコセッシが伝えたかったものは何だろう。

◆『沈黙』は若い世代へのメッセージ

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キリシタン弾圧の日本を描いた本作で、

窪塚洋介演じるキチジローは圧倒的存在感のあるキャラクターだった。

隠れキリシタンのキチジローは、過去に一家全員で"踏み絵"を強いられたことがある。

その際は、キチジローだけが踏み、信念を貫いた家族は全員目の前で焼き殺された。

始めのうちは彼に同情してしまうが、

キチジローは作中、何度もためらう様子なく神を踏みつけ、そのたびに主人公の元へ「懺悔」しにくる。

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同志たちが拷問を受けたり処刑されるのを何度も見ているはずなのに、謝りゃいっかー★なって感じで踏み絵をサクサクと熟す。

この開き直りっぷりは、もはや清々しい。

 

そんなキチジローに対し、スコセッシは以下の通りに語っている。

 

「社会においては、みんなが強き者でなければいけないということはない。それは文明を維持していく唯一の手段ではないと思う」と本作に込められたメッセージを語ったスコセッシ監督。

スコセッシ監督が来日、『沈黙』がいま撮られるべき映画である理由とは? | ニュースウォーカー

 

一見クズとも見えるキチジローだが、

その弱さは、処世術でもある。

 

またスコセッシは、こうも話している。

 

「今、一番危険に晒されているのは、ここ5年ほどに生まれた若い世代です。勝者が歴史を勝ち取っていく世界しか知らない。世界はそういうものだと思ってしまってはいけません。
また、物質的・技術的になった今の世界だからこそ、人を信じるという心を真剣に議論すべきなのです。」

『沈黙‐サイレンス‐』スコセッシ監督来日レポ「一番危険なのは、強者至上の世界しか知らない若者世代」 | ORIVERcinema

 

弱者に厳しい未来が待ち受けている。

歴史上、国が信仰の自由を奪った時代があったように、

未来のわたしたちは強い者から自由を奪われるかもしれない。

そんな状況で生まれる「弱さ」を攻める必要はないとスコセッシは肯定してくれた。

弱いからこそ出来る、生き延び方がある。

わたしたちは、弱さを受け入れて、

それを強みに変換する力を身につけなけらばならなくなりそうだ。

 

◆映画は警告で溢れてる

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『沈黙』で、命を削るほどの演技を見せた塚本監督が手掛けた『野火』は

戦争を知る世代が減り、「戦争」への賛成派が増えてきたことを懸念し製作された。

「そのとき戦争を描こうと思ったのは、どうもその頃になると「時局によっては、戦争もやむなし」みたいな発言が公の場でぽつぽつ出てきたからなんですね。人間の本能として「戦争がしたい」と思う人たちがいても、そのころまでは戦争を体の痛みとしてハッキリ知ってらっしゃる戦争体験者の方たちが抑止力となっていた。ところが、その方たちがだんだんと亡くなり始めて、それを見計らって「いまなら言えるんじゃない?」みたいな雰囲気が漂い始めた」

lite-ra.com

 

フィリピン戦線を舞台にし、過酷な戦地で狂っていく兵士たちを描いた『野火』は、あまりにも悲惨な描写で話題となった。

トラウマとして、戦争に対する悪のイメージを植え付けることが、映画が今出来る精一杯なのかもしれない。

 

 警告するのはアメリカや日本だけではない。

こんなに平和そうに見える

スウェーデン映画でも触れられている。

 

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こちらはロイ・アンダーソン監督の『愛おしき隣人』。

彼の作品は、コメディーなのだがゾクッとする静かな恐怖を含んでいることが多い。

社会の教科書で一段と目を引く、「風刺画」のような作風だ。

 

小さな町に住む人々の日常が独特なタッチで描かれている本作。

その中のバーの店主がラストオーダーの際に言う

「明日があるから」というのが決まり文句がこの映画のカギになる。何度も出てくるので無視はできない。。

 

この作品に明確な主人公はおらず、

町の人々の生活がいろんな視点からピックアップされる。(普段あまり映画を見ない人には想像しにくい造り方かも…。すいません、文才)

町の人々は決して交わることはないんだけど、

さっきまで焦点が当てられていた人が画面の端にいたりする演出になっている。

 

近くに住んでいるという事以外共通店のない町の人々は

ラストシーンで一斉に空を見上げだす。

いつもの生活を止めて、空を見上げることに集中しだすのだ。

 

目線の先は、ミリタリー感あふれる飛行機。1機ではなくたくさん飛んでいる。

日常はちょっとしたことで、崩れてしまう。

あんなに毎日言ってた「明日があるから」は、何の前触れもなく根拠をなくしていくのだ。

 

◆今、子供を産めますか?

 

バカなわたしでも感じているということは

きっと世界は今、確実にヤバい方向に向かっているのだろう。

わたしたちは、未来が明るくないのを、どこかでわかっているが何もできない。

集団的自衛権の容認に反対し、焼身自殺未遂までした男性のことを世間はもう忘れている。

 

元々人の世話が苦手なので子供を産むつもりはなかったが、

これから誕生するかもしれない可能性があるわが子が

世界の不幸に関わるかと思うと、無責任に妊活なんて心配性の私はできない。。

(妊活批判とかじゃなくて、未来が怖いという話ですからね。。愛の結晶は最高です。)

 

 

「楽しいままで終わりたい」

少女の一言が再評価される日が来ぬことを祈るしかないのかな…。

終末時計は残り2分半です。

依存しないぞ2017

遅れましたが、
明けましておめでとうございます。

年末年始は帰省して
のんびり過ごしていたつもりでしたが、
普段のベッドに対し布団で眠る生活、
起床と就寝時間の違い、
運動量の違い、
人間の数の違いから、
少しずつ日々は狂ってしまい、
指の痙攣と右手の痺れが未だに治りません。

原因はストレスと寝不足だそうな。
ミリ単位の違いで狂う自分の神経質と
心では大好きな家族へ、体が無礼を働いてしまい申し訳無い気持ちです。


(文字文字しいのもあれなので、年末やっと見た映画。自宅で寝る休憩を挟みながら見るシリーズ『さよなら、人類』。こういう寝ちゃう系コメディー大好きなんだ〜〜。風刺画の寄せ集め的な感じで、ストーリーとか無いし商業映画しか手にしたことのない人には退屈だろうけど、こだわりぬいた画に引き込まれます)

通っていた大森靖子のライブに行かなくなって来月で一年になります。
リツイートから知らない有名(?)ファンも見かけるようになり復帰が気まずい。。
実験室くらいが心地良いのだけど、会員制になったので、手続きの億劫さによりズルズル引きずりこうなっちゃいました。

それがきっかけになったのか
自分の中の情熱の割合が変化して、
その結果自分を可愛がる時間が増えました。

恋人にも迷惑なくらい依存しまくってたのですが、
恋人が自分を可愛がる時間の必要性をようやく理解したので、
依存度を下げたら、関係の密度が上がりました。不思議なことです。

思えば、
小学生の頃から途切れず誰かの熱狂的ファンをやっていて、
それがついに落ち着きました。

健康や、資格や、教養、
直接身になるものにお金をかけだすと
自分の価値が高まった気がして、可愛く見えてくるものです

アーティストとか芸術ってサプリにはなるけど、
基礎となるの身体がしっかりしてないと効くものも効かないので
まずそこからがっちり固める年にしたいです。



(こちらは2016年、ゴミ映画ナンバーワン。アカデミー賞の裏で行われる最低映画を選ぶラジー賞は、これに期待しています)


そういえばTwitter更新しなくなってからも
もうすぐ一年になるのですが、
あれだけ毎日つぶやいてた習慣も
別に生きてる上で必要なかったね。。
憧れのミステリアスな女になろ〜。。笑



(『あけましておめでとうございます』に挟まれた私の図。勤務先のビルにて)


ことしも徒然なるままに
映画やドラマや日常について書いていきますので、
読んでくださると幸いです。
よろしくお願いします🖖🏻

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無意識下でのレイプ

わたしの話を聞いてください。

わたしは食べることが苦手です。

 

心の開いていない人と食事に行くと

おえつが止まらなくなります。

 

また、居残り給食常連だったわたしは、

先生から受けた食の強制がトラウマで

自分のペースを保てない食事環境が苦です。

 

それから、そもそも胃腸が弱いので

食後のしんどさを避けるため普段からあまり食べられません。

 

以前、テレビ番組で俳優の本郷奏多くんが

 

「世の中で一番嫌いなことはご飯を食べること。異物を体内に取り入れる行為じゃないですか。気持ち悪くありませんか? できることなら食べないで過ごしたい」

“超不思議キャラ”の本郷奏多、バラエティ番組で開花 | ORICON STYLE

 

と語っていたことがありました。

 

早くわたしもiPhoneのように充電で生きていきたい、そうずっと願い続けてきたので、本郷くんには驚きました。

 

食事は幸せ、が当たり前の世界に

救世主を見つけた気分です。

 

◆「食」はグロテスク

 

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この人は、チェコの映画監督のヤン・シュヴァンクマイエルです。

ストップモーションを多用した、不思議でファンタジーあふれる少し不快な世界を作る天才です

 

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最も知られている作品は、この『アリス』

ヴィレバンとかで流れているのでサブカルチャーの人は知っていると思います。

 

ヤンおじさんは、食事という行為が大嫌いなことで有名な監督で 

彼の描く「食事のシーン」は特徴的で

まるで「食べる行為」を汚いもののように表現しています。

『アリス』でも、三月ウサギはおがくずのようなものを、ぺちゃぺちゃと不快な音を立てながら食べます。

 

下記の違法アップロードをごらんください。

あなたの食事の概念がきっと覆されますよ。

 

www.youtube.com

 

コマ撮りで描かれる不自然な動きに

食事シーンにあってはならない不快な音と物

 

異物をこれでもかと詰め込むお兄さんは

詰めても詰めても満たされません

 

フォークを手のひらにくぎ打ちし、

まるで食べることを自ら強いているようなおじさん

 

料理は、

ソーセージから、身の回りのものになり

最終的には人の一部に変わります

 

欲望を満たすという意味では

食事をとるのは、もはや変態的行為なのかもしれない。

 

料理というものは、目の前に出されたときは芸術でも

いざ口の中に入れた途端それは吐瀉物や排泄物を製造する過程にすぎないのです。

 

そんな毒を体内に留めておくのが気持ち悪いので

わたしはたくさん食べることを好みません。

 

◆「食の強要」はセクハラ

 

ヤンおじさんが「食への不快」を可視化してくれたことで

わたしはこのモヤモヤした気持ちを、スムーズに伝えられるのではないかと思う。

 

食事は自分で欲求を満たす行為です。

その観点から言えば、自力で性欲を満たす自慰と、共通点が0ではないでしょう。

 

ですから、「ほら、もっと食べなよ」は、

わたしのような食に苦を抱く人間たちにとって

「オナニー見せてよ」というようなセクハラに似たつらさがあるのです。

 

その食べ物が美味しかろうが関係ありません

 

欲求を満たす行為はマイペースに自ら求めたタイミングで行わなければ、意味を成しません。

「食の強要」は言わばレイプなのです。

 

「食べること」は正義で娯楽で褒美である世界の片隅に、

恐怖と嫌悪感をもつ人間もいることを、ぜひ心の中に留めておいていただきたいなと思います。

 

 

 

 

 

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『フルハウス』は人生!【空港レポ】

20年の時をを経ておかえりなさい!

日本で最も愛された海外ドラマといっても過言ではない『フルハウス』が、今年『フラーハウス』として帰ってきました!
今回の復活を、きっとファンのみんなも、心からは望んでいなかったでしょう。
「続編を作らないで。」ではなく
まさかもう一度、タナー家が見られる日が来るなんて、誰も予想していなかったです。


そして今回、そんな『フラーハウス』のシーズン2配信を記念して、
キャストたちが来日してくれました。きゃ~。
ジャパンプレミアには、一家全員揃うはずでしたが、
ジェシーベッキーおばさんは急遽来ないことに。。

おいたんは、みんなの初恋なのにな〜😞(笑)
またいつか来てほしいです

いらっしゃいませ〜ジャパーン

不幸にも応募しまくったジャパンプレミアは外れてしまい、
しかしこんな機会を逃すわけにもいかず、
空港お迎えデビューをいたしました🎉

12時頃に到着してから、約4時間近く、待機。
ぼっち参戦だったので
周りの方々の想い想いのフルハウスを聞かせてもらいました。

想像以上にお子さん連れがいて
目の前で無邪気っぷりを全開に出してくる赤ちゃんに激ホレ。

フラーハウスでトミーが入っているのと同じベビーサークルで子育てしているご夫婦もいて、
フルハウスで育った子供が大人になって、
フラーハウスを見ながら子育てをしているのに、
時の流れと羨ましさを感じました

到着出口で待っていたのですが、
特設待機ブースを空港の方が設けてくださり、
注意事項を聞きつつ、おとなしく待機

DJ役のキャンディスと、ステフ役のジョディー、キミー役のアンドレアは上の飛行機、
ジョーイ役のデイヴは下の飛行機でやってきました

サンフランシスコからやってくるなんて、
ドラマ通りで、ちょっぴりアガるぅぅ〜


さあ、いよいよ



まず先に3人がご登場〜〜!

人数が多いので2つブースが設けられたのですが、
こちらは子連れさんが多め。
なのでジョディーは、自分からしゃがみこんで
子供たちに話しかけていました!神対応や〜〜☺️


そしてそのあとのご到着〜〜。
ジョーイおじさーーーん!

実はこの日、3人娘の到着は知っていたのですか
デイヴの情報はなく、来日は想定外でした。
こんなサプライズ…会えて本当に良かったよ。。

ファンの元に来た直後に
おなじみの、『Cut it out (カットしてちょうだい)』
も、生披露してくれました!これは嬉しい。

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テンパりすぎて、セルフィー撮って!と言ったのに、インカメになっていなくて二人が写らず(笑)
そんなハプニングにも
この笑顔で対応してくれました。ジョーイはジョーイだったよ。

初お迎えを、ふりかえって。


無事、キャスト4人のサインはすべてゲット。
クリエイターのジェフのサインを逃してしまったよ。。とほほ。

今回は最前列で待機できたので、ファンサのチャンスは最高。
ちょっとしたコツは、順番待ちの間にペンを手元に近づけておくこと。
あと、サイン中に
「セルフィ―撮っていい?」と話しかけておくと
そのままスムーズに撮影の流れができるのでよかったなと思いました。

熱狂のあまりに非常識なことをする人も
わたしが見た限りはいなくて
みんな「フルハウス」で育った人たちが集まってるんだなと感激でした。

初めてでしたが、すごく恵まれた環境でお出迎え出来たなと思います。
12月9日の、第2シーズンがとっても楽しみです。
つらいとき、自分が少し意地悪になってしまったとき、
楽しい気持ちになりたいとき、
どんな境遇でも「フルハウス」はわたしを助けてくれます。

フルハウス子育て」があるように
世代を超えて、たくさんの人々に愛され響く作品になるといいですね。